2017年10月7日土曜日

小型工作機CNC2418 その37(PCBスパイラルコイル)

前回ねじ切り切削で、Fusion360のコイル作成機能の設定をしていた時です。
面、中心、直径をしていると設定ボックスがでてきますが
そこの[タイプ]に[スパイラル]という項目があります。
試しに[スパイラル]で断面:正方形にしてみると
何と”蚊取り線香”いや違う”スパイラルコイル”ができます。
で、ふと思い付きました!
このコイルを2重にしてコンデンサにならないかなあと?
静電容量検出センサーのタッチパッドにしたいのです。
螺旋状の電極ならタッチした時の容量変化が大きくなるのではと。

それをPCBのパターンで作ってみることにします。
というわけで、早速、Fusion360を立ち上げ
まずは、直径75mm 厚み1.6mm 薄い円柱を描きます。
[作成]-[コイル]で
円柱の上面、円柱の中心を選択し
「円の直径を指定」で円柱と同じ75mmにすると
これができます。
[タイプ]を[スパイラル]にして設定をします。
 [タイプ]:スパイラルは、中心から始まります
 [直径]:中心部の直径、この直径から外側に広がります。
設定しているとリアルタイムに変化してくれます。
で、こうなります。
[修正]-[移動/コピー]をします。
[オブジェクトを移動]:[ボディ]にして
コイル部分をクリックすると
できるだけ中心の先端をクリックした方がいいようです。
設定ボックスが拡張されます。
移動用の矢印が中心近くにできています。
上の段階でクリックしたポイントにこの矢印がでます。
最初に[コピー作成]にチェックを入れ
[Z角度]:180 deg を入力すると
180°回転したコピーができます。
隙間が均等になるように移動します。
矢印では、1mm単位でしか移動しないので
0.5mmとかは、ボックスに入力します。
2つのスパイラルコイルが綺麗に並びました。
分かりやすいように適当に色を付けます。
2つのコイルの間隔を測ります。
0.476mmです。
手持ちのエンドミルの最小が 0.6mmなので
間隔を0.6mm以上にします。
右下のコイルのアイコンで右クリックして
[フィーチャ編集]を出します。
断面サイズ変更~間隔測定を何度か行ったり来たりして最適値を求めます。
[断面サイズ]:0.87mm に決定。
間隔が0.63mmとなりました。
0.6mmより少し広めです。
CAMに移ります。
セットアップのストックサイズは、[相対サイズ円形]オフセットは、全部「0」
[2D]-[2Dポケット]でいいかな、と
0.6mm エンドミルにしてコイルの周辺の凹んだ面を選択します。
一見ツールパスが正しくできているようなのですが
シミュレーションすると、
何と!コイル部分も削ってしまって真っ平らになっているのです。
ちょっと設定をいじってみますがだめなのです。
[2Dポケット]だから凹んだポケットを選択したくなるのですが
2つのコイルの輪郭を選択しないといけないのですね。
今度は、シミュレーションするとうまくいきました。
見えやすいように深さ1.0mmにしています。
今度は、[3D]-[ポケット除去]でやってみます。
こちらは、外周を選択(黄色)しただけで
この様にツールパスができます。
PCが非力なのでツールパスができるの20秒もかかります。
で、シミュレーションはこれです。深さ1mm。
試しに、スパイラルで[断面サイズ]を0.87mm → 0.90mmにすると
2つのコイルの隙間をエンドミル0.6mmと同じにしてみます。
こうゆう時に色々いじるとためになるのでちょっと横道へ。
2つのコイルの隙間が0.60mmになり
エンドミル0.6mmと同じになりました。
[2D]-[2Dポケット]
虫食い溝になってしまいます。(緑部)
なぜこんなに微妙なのかわかりません。
[3D]-[ポケット除去]でも、同様になりました。
以前、QFPGアダプタソケットでPCBパターン切削した時には
この[工具制限境界]を[工具内側境界]にすれば
幅が工具より狭い所も切削してくれたのですが
今回は、色々いじってもダメでした。
リード線を付けるタブと裏に配線するための溝やら外径調整で
この様な形状にしました。
CAMは、[2D]-[2Dポケット]にして
過去の切削では、深さ0.1mmでS700 Feed 120mm/minだったので
今回、0.05mmなので S800 Feed200でやってみます。
では、切削に参りましょう~!
と、部材を探したら、このサイズのPCBがありません。
仕方ないので100 x 150 をポチっておきます。
サイズを小さくして実験することにします。
やっと切削に移ります。
エンドミルは、これ
0.6mm 2フルート トウモロコシタイプ。

PCBをCNC2418にセットします。
WoodpeckerのA5端子からリード線を引き出して
スピンドルとPCBの銅面に繋ぎます。
ゼロ点に移動して
ボタンを押すと接触して止まるので、Zゼロ設定します。


基板なので久々に、HeightMapを作ります。
Candle v1.1.7にGcodeを読み込んで
[Heightmap]の[Create]ボタンを押します。
Candle v1.1.7の左画面がHeghtMapモードになります。
左下の設定です。
外径の輪郭ギリギリにしています。
反りが大きいといけないので
10x10の100ポイント測定です。

ボタンでHeightMap測定開始します。


HeightMap測定中を動画で
F10でゆっくり下がってきて接触すると次のポイントへ行きます。
HeightMap測定中のCandle画面を動画で
数値が埋まっていきます。
久しぶりのHeightMap!綺麗です。
100ポイントで14分25秒。
測定結果です。中央部をゼロに合わせています。
やけに反りが少ないですね~
良いことではあるのですが
昔やった時と随分違います。
同じPCBを使っています、違うのは、固定方法だけのはずです。
四隅に固定の負荷が掛かっているのがわかります。
HeightMapを保存します。
***.mapという拡張子になります。
右側の[Edit mode]ボタンでHeightMapモードから抜け、切削モードにします。
そして[Use heightmap]にチェックを入れます。
切削開始します。
切削中。
ふとCandle上のGcodeを見ると
おーーっ!
GcodeがHeightMapによって書き換えられているようです。
終わってから、この部分のオリジナルのGcodeを見てみると。
ちょっと探すのに苦労しましたが
Zパラメーターが追加されています。
以前は気づきませんでした。
*****
X18.862 Y-14.401
X19.276 Y-13.858
X19.674 Y-13.304
X20.056 Y-12.739
X20.423 Y-12.162
X20.773 Y-11.575
X21.106 Y-10.978
*****

スパイラル切削、初めの方を動画で
1本目の間を2本目の溝を掘っていきます。
動画で。
パターン間隔0.63mmなので2回通ります。
これは、1回目が終わった所
溝が細く削り残しっぽい所があります。
拡大すると、この辺り。
2周目が削り終えました。
Feed 120%(200mm/min x 120%)で23分49秒。
次は外周です。
外周切削のGcodeを読み込んでから
[Heightmap]の[Open]ボタンで
最初に作成したmapファイルを読み込みます。
[Use heightmap]にチェックを入れます。
チェックを入れた瞬間にGcodeが変わりました。
[Use heightmap]チェック前
 [Use heightmap]チェック後
Zパラメータだけでなく、色々追加されています。
すばらし!
チェックを外すと直ぐに元のGcodeに戻ります。
では、1.0mmエンドミルに変えて
Zゼロを調整しようとした時、おっと、止まらない、慌ててRESET!
また壊れたか?
切削済パターンの中央でやっていたので
接触しても導通するわけがありません。
危ない危ない(´-﹏-`;)
仕方ないので外径の輪郭切削だし紙を挟んでゼロ調整します。

1.0mm 2フルート トウモロコシのエンドミルを使って
外周を掘り出します。
0.3mmずつ掘るのでS800 Feed 200 x 110%=220mm/minです。
タブを付けて掘り終わりました。
綺麗に掃除して。
裏も綺麗にタブが付いています。
この辺は少し汚いです。
この辺はまあまあです。
パターン幅も均等ではないです。
HeightMapとの相関は見当たりません。
50μmしか削ってないからですね~
エンドミルの先端に微妙なテーパーがあるのかな?
本当は、先端が平らなVカッターを使うべきなのだと思います。
先を拡大してみますが
テーパーは無いというか、中心が凹んだ逆テーパー上ですね~
単に50μmでは、浅すぎたのかも
取り外さずにもう1掘りすればわかったのでしょうが。
ということで、忘れない内に、このVカッターをポチっておきます。
No.4の0.4mmのやつにしました。
微妙にパターン間が繋がっているといけないので
アナログテスターの抵抗計の最高レンジで導通してないか確認です。
大丈夫でした。
今週は、ちょっと工房に籠もれなくて
中途半端ですが、これにて・・・

6 件のコメント:

昔青年 さんのコメント...

おはようございます。
いろいろ試されて楽しそうですね。
タッチパッドをどう利用されるのか楽しみです。
当方は、テキスト(ベーシック編)の猫の裏底を消して外側に1mm縁取り?するところで前に進めません。
いいかげん無視して、やりたいことを無手勝流でやってしまおうかと思っています。(いつものパターン)

 当地では、秋祭りで朝からピーヒャラ・ドンドンにぎやかです。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

いつも見て頂きありがとうございます。
楽しみにされると是が非でも利用しないといけないですね~(笑)
猫の裏底消しですが、私もやってみました。
[面/ボディ]で表をクリックすると、すぐに側面が縁取りされます。
それからSHIFT+Mause中央ボタンでボディの裏側が見えるようにしてから
(右上の立方体のアイコンで裏返してもいいです)
CTRLを押したままマウスカーソルを裏面に近づけるとねずみ色→灰色に明るくなります。
そこで一度クリックすると青色に変わるので、CTRLを放すと裏底がくり抜かれるはずです。
私もCTRLの操作を今知りました。お陰で勉強になりました。
今までスケッチのオフセットで1mm内側のスケッチを描いて切り抜き押し出しをしていました。
色んな方法があるので無手勝流でいいと思います。私もほとんどそうです。
秋の方が気候がよくてよさそうですね。
こちらは夏祭りしかなく、地域の役が回ってきた時だけ汗だくで参加します。
ん!ひょっとして「岸和田だんじり祭」ですかね?

昔青年 さんのコメント...

 マーティーさん 追試ありがとうございます。
テキストどおり操作しているつもりなのですが、結果が違いまいっております。(笑)
CAMを詳しく解説されているHPがありましたので、当面必要としている異径ジョイントにトライしてみます。

 当地は、大阪南部に位置する泉州地域で岸和田より北にあります。
泉州では、9月の岸和田だんじり祭りを皮切りに、10月6日から8日の2日ないし3日間だんじり祭りが行われます。
今年から神社役員を務めておりますので、祭りの間ほぼ終日神社につめておりました。(といってもお神酒を飲んでぐだぐだしているだけですが)

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

コメント18:35に頂いているのに、何故かブログのコメン通知メールが遅く
19、21時頃でメールに何も受信してなかったのですm(_ _)m
神社系の役員は朝が早くて大変だと聞きます。
異径ジョイント!私はまだやったことないです。
ご検討を祈ります。

jose2021 さんのコメント...

hello can you explain how to make the connection with the cables, I have the cnc 3018 pro

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

Hello! jose2021 san
If your question is how to connect the probe of heightmap.
The probe connect to the A5 terminal of controll board of CNC.

I think your CNC control board is same type of my board.
It's name is Woodpecker.
So, Please see to my blog.
https://martyworkshopdiary.blogspot.com/2017/03/cnc2418-heightmap.html

Note, A5 terminal weak static electricity.
Please see my blog.
https://martyworkshopdiary.blogspot.com/2017/07/cnc2418_20.html